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今日読んだ本の感想を書いてみるよ

風よ。龍に届いているか (ベニー松山/創土社)

Legacy of Llylgamyn (『リルガミンの遺産』)を原作にしたWizardry小説です。
内容はオリジナル要素が濃い、というか原作の雰囲気を壊さず作者独自の解釈で上手に再構成した感じです。
ゲームの前作であるProving Grounds of the Mad Overlord(『狂王の試練場』)やKnight of Diamonds(『ダイヤモンドの騎士』)との関連も踏まえて、話の底流として組み込んであります。

ストーリーは実に王道、グレマスの行為体分析におおよそ当てはまるようなベーシックさですが、盛り上げ方が巧みです。

導入部は最初の脅威をホラー仕立てにして、Wizadryの特徴である「ロスト」の恐怖と殺伐とした空気を醸し出しています。
もちろん読者への「掴み」としてのアクションを織り交ぜつつ、それが同時に効果的なキャラクターの紹介になっています。
中盤ではキャラクターの心理、内面を描きつつ、キャラクターをより掘り下げています。
特に崖の登攀という命懸けの共同作業が、キャラクター同士の信頼関係の確立に繋がる過程は上手いです。
そして最後には、これまでの「ため」を開放するような戦闘の連続。
生死が紙一重の緊張感に包まれながらの、強敵たちとの戦いは実に燃えます。

世界は破滅に向かっており、状況は刻一刻と悪化していく。
ともすれば絶望を選んでしまいそうな重圧の中で、それでも前に進む展開は実に熱いです。

欠点は、ご都合主義的な部分が見られる点と、あまりにも原作ゲームを意識しすぎて無理な説明がある点です。
アラインメントやクラスシステムについては、Wizadryを知らない人にとってはどうかなという印象です。
逆に、Wizadryを知っている人にとっては面白く読めるネタも仕込んであります。僧侶は馬小屋で寝てます。
この辺りは良くも悪くもゲームノヴェライズといったところでしょうか。

いずれにせよ作品の根幹は非常にしっかりしているので、ファンタジー小説の名作という評価は揺るぎないと思います。
熱いファンタジーが好きな人なら、瑕疵も見えなくなって信者化することでしょう。
ハードカバー上下巻なので多少値は張りますが、買って良かったと思えた作品でした。
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  1. 2005/05/09(月) 20:53:35|
  2. 読書|
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