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なんとかランド

かねてより調査していたところによると、この施設の内部には「ナコト写本」「エイボンの書」「グラーキの黙示録」「ネクロノミコン」にも記述されない異形の怪物どもが闊歩しているという。
今まさにその奥へ進まざるを得ない状況に我が身を置いてみて、私は内心の慄然たる思いを消し去ることはできなかった。
通る者を圧迫しながら左右に立ち並ぶ建物群の合間を進みながら、私はこの不安を自分一人の胸のうちにしまっておくことは到底できず、わずかな慰めを求めて連れの女性に言葉をかけた。
ところが彼女は私が感じていたような不安を顔に表すどころか、ほとんど熱狂的ともいえる期待感に頬を紅潮させ、そしてこれから遭遇するであろう、信じがたい怪物について熱っぽく語るのであった。

建物群を抜けると広場に出たが、そこに現れた景色はまったくもって奇怪としかいいようがなく、不自然な山のようなオブジェや、でたらめな幾何学模様を組み合わせたような建造物があたりを取り囲み、そして時折遠くから悲鳴のようなものが聞こえてきては私をおののかせた。
それは突然やってきた。
人間と鼠を掛け合わせて各々の器官を全く無作為に肥大化させたような姿を持つミ=キという生き物が現れたのだった。
私も連れの女性もその姿に、はっと打たれたように立ち止まり、そしてそれは致命的ともいえる隙であったのだが、幸運にもミ=キは我々を視界に収めてはいなかった。
ミ=キは行く先々で人々の精神に不安定を撒き散らし、例えば精神の弱い子供などは、その姿と凍りついたような異形の表情が発する形容しがたい圧力に屈してしまい、ついにはミ=キの名を連呼しては一目散に駆け寄っていくのであった。

ミ=キが蝕んでいったのは子供の魂だけではなかった。
驚くべきことに連れの女性はその様子を満足げに微笑みながら眺めていたのであった。
瞳の中はすでにある種の狂信で染まりきっており、彼女の内部で何か決定的な転換があったのは明白であった。
宇宙的恐怖に身をすくませる私にかまわず、彼女は先ほどから我々を威圧するかのように聳え立つ巨大な建造物を指差した。
それは我々の生活する文明社会に対する最も挑戦的な戯画を体現しており、矮小な人間たちを睥睨するかのようにその姿を白昼に晒していた。
彼女は私の手を取ると、何かに憑かれたかのようにその建造物へと進んでいく。
もはや抵抗を諦めなすがままになっていた私は、そこで気の遠くなるほどの列を成して、建造物の深奥で行われるであろう冒涜的な儀式を渇望する人々の群れを発見したのであった。
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  1. 2005/06/12(日) 01:16:40|
  2. 日記|
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